この記事では、世界最大級の美術館 ”The Metropolitan Museum of Art”(メトロポリタン美術館=通称 the MET)について、アクセスやチケットの取り方などの基本的な事柄のほか、
- 持ち込めないもの
- 混雑状況
- 入館したらまずやること
- 有名作品の展示場所(ギャラリー番号)
- レストラン
などを、ニューヨーク在住で年パスを持ち、何度もMETを訪れている筆者ならではの目線で、可能な限り詳しく書いていきます。
アクセスと基本情報
地図
メトロポリタン美術館は、セントラルパークの内部、東側の 80th St ~ 84th St にあります。
最寄り駅は地下鉄4,5,6ラインの 86 St 駅。
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入口
メトロポリタン美術館の正面入口は5番街に面しています。
この階段が有名スポット。写真を撮る観光客でいつも賑わっています。
ドラマ “ゴシップガール” でも、メインキャラクターであるブレア達の溜まり場として度々登場していました。
ベビーカー・車椅子対応の入口は、階段を上らずに向かって左にあります。
営業時間
開館時間は10:00~17:00(金曜日・土曜日は~21:00)、毎週水曜日は定休日です。
また、サンクスギビングデー、12/25、1/1、5月最初の月曜日、は休館となるので注意。
混雑状況
メトロポリタン美術館はよく入場列ができていますが、混雑はそれほどではありません。
たとえば、夏休み(7月)の平日に訪れた際には、11時頃に到着し15分ほど並びました。また、11月の感謝祭休暇中(祝日)に訪れた際は、同じく11時頃に到着して10分ほど並びました。
見学中は、館内がとても広いので、たくさんの人が訪れていても混雑しすぎていて困るということはありません。
屋上へのエレベーター(後述)は長蛇の列になりがちなので、午前中や夕方がおすすめ。
持ち込めない物
貴重なコレクションを守るため、館内へ持ち込みできる物には厳しいルールがあり、入館前に空港のようなセキュリティチェックを通ります。
詳しくは公式サイトのVisitor Guidelinesに記載がありますが、多くの方に関係しそうな点を簡単にまとめると…
- 大きなバッグや荷物は持ち込み不可(スーツケース等注意)
- リュックは小さなもののみ可。背負わず、体の前にかけること。
- 水以外の飲食物の持ち込み不可
- ベビーカーは特大サイズを除き可
- 抱っこ紐は可
子連れinfo
水以外の飲食物は不可ということなので、離乳食は?と問い合わせたところ以下のように返信がありました。
離乳食は、明確に記された容器(元々のパッケージのまま等)に入れてお持ちください。ギャラリー内では、持ち込まれたものの飲食は禁止となっておりますので、お食事を与える際はG階”ウリス・エデュケーション・センター”の後方にある廊下をご利用ください。
持ちこみ方と与える場所に気を付ければ、ベビーフードの持ち込みはOK。
チケット
料金
2024年7月現在の料金は下表のとおり。
大人(12~64歳) | $30 |
シニア(65歳以上) | $22 |
学生※要ID | $17 |
子供(12歳未満) | 無料 |
NY在住者、NY, NJ, CTの学生は、自分でチケットの値段を決められます(極端な話、$1でもOK)。チケットカウンターのみ対応。住所を証明できるIDが必要です。また、NY在住者はカルチャーパスやIDNYCのメンバーシップ特典を利用することで無料で入場できます。
チケットの買い方
公式サイトの”Buy tickets”からオンラインでチケットを購入できます。
Location の選択肢が出るので、“The Met Fifth Avenue” の方を選びます。
オプショナルツアー専門サイトのKKday ではガイドツアーの予約も可能。じっくり見学したい人におすすめです。
もしくは当日、カウンターや自動券売機でチケットを買うこともできます。
回り方
マップ
見学に必須のマップは、インフォメーションやチケットカウンターで入手できます。
公式サイトにWeb版もあり、事前に見学プランを考えるのに便利。
マップで斜線になっているギャラリーは閉鎖中です。
一部エリアが閉鎖されて別の場所に展示品が移されていることが頻繁にあるので、マップを要確認。
重要!最初に必ずやること
ゴッホ展など、人気な一部の期間限定展示は、ウェイティングリストに登録して順番待ちをしなくてはなりません。
ウェイティングリストは、ギャラリーそばのスタッフさんが持っている看板のQRコードをスマホで読み込むことでアクセスできます。
見どころ
ここからは、人気・必見作品にしぼって、エリアごとに画像つきで紹介していきますね。
Egyptian Art(エジプト美術)
1階正面入口を入ってすぐ右に曲がったエリア。
デンドゥール神殿(ギャラリー131)
ローマ皇帝アウグストゥスが建設した、紀元前15年ごろの神殿。エジプト政府からアメリカに贈られた。
門、入口、供え物部屋、至聖所が備わっており、アウグストゥスが神々にぶどう酒を捧げている様子が彫られている。
カバの像(ギャラリー136)
古代エジプトにおいて特別な魔力を持つと考えられていたカバの像。ウィリアムという愛称で呼ばれている。
METのマスコットキャラクターとして、多くのグッズがショップに並んでいる。
The American Wing(アメリカン・ウィング)
1階と2階の2フロアにまたがるエリア。
デラウェア川を渡るワシントン(ギャラリー760)
エマニュエル・ロイツェによる、1776年に独立戦争でワシントンが戦った様子を描いた作品。
最も有名なアメリカ絵画のひとつ。
マダムX(ギャラリー771)
ジョン・シンガー・サージェントが描いた、当時のパリ社交界のセレブ、ピエール・ゴートロー夫人の肖像画。
サロン・ド・パリで、そのずり落ちかけた肩紐が冷笑を浴び、描き直されたのちメトロポリタン美術館に売却された。
European Paintings(ヨーロッパ絵画)
12~19世紀の名画が揃う人気のギャラリー。2階中央奥。
少女(ギャラリー614)
生涯に32~37点ほどしか作品を残さなかったと推測されている、ヨハネス・フェルメールによる作品。
特定のモデルのいない肖像画”トローニー”であると考えられている。
水差しを持つ女(ギャラリー614)
同じくヨハネス・フェルメールの成熟期に描かれた、保存状態の良い作品。
色使いとシンプルな造形が穏やかな雰囲気を醸し出している。
ソクラテスの死(ギャラリー634)
ジャック=ルイ・ダヴィッドの作品。
自らの信条を否定するか死刑となるかの二択を政府に迫られたソクラテスが、嘆く弟子たちに囲まれながらも冷静に魂の不滅を唱えている様子が描かれている。
ルーベンスと妻ヘレナ・フォーメントとその子供のひとり(ギャラリー618)
ピーテル・パウル・ルーベンス自身、2番目の妻ヘレナ、そして二人の間の息子を描いた作品。
ヘレナを妻・母の両面から賛美していることを表している。
19th- and Early 20th- Century European Paintings and Sculpture(19~20世紀初頭ヨーロッパ絵画・彫刻)
ゴッホの自画像(ギャラリー825)
フィンセント・ファン・ゴッホによって1887年に描かれた自画像。
大人気・貴重な作品のため、ガラスケースの中に展示されています。
糸杉のある麦畑(ギャラリー822)
同じくフィンセント・ファン・ゴッホが精神病院に入院していた際に手掛けた、プロヴァンスの田園を描いた風景画。
イア・オラナ・マリア(ギャラリー825)
ゴッホのライバルでもあったポール・ゴーギャンが、タヒチで最初に製作した作品。
天使(左)がタヒチ人の女性2人(中央)に、聖母マリアとイエス・キリスト(右)を啓示しているさまを描いています。
メーダ・プリマヴェージの肖像(ギャラリー829)
グスタフ・クリムトの融資者の9歳の娘、メーダ・プリマヴェージの肖像画。
鉛筆でさまざまなポーズ、衣装、背景を試し描きしたうえでこの完成品にたどり着いた。
ダンス教室(ギャラリー815)
エドガー・ドガによる斬新な構図の人物画。
審査を待つバレリーナと母親たちの様子が描かれている。
Ancient Near Eastern Art(古代中近東美術)
幅広い年代の中近東美術作品が展示されている。2階東側。
人頭有翼獅子像(ギャラリー401)
アッシリアのアシュルナシルパル2世の宮殿の門に置かれた巨大な石像。
5本の脚は、正面から見ると静止しているようにみえるが、側面から見ると前へ踏み出しているように見える。
ルーフガーデン
1階”Modern and Contemporary Art”横のエレベーターからは、屋上のルーフガーデンに上がることができます。バーではアルコール類の提供もあります。
レストラン
館内のレストラン一覧とメニューはこちら(公式サイト)
The Met Dining Room は高級レストラン。
Balcony Lounge は落ち着いた雰囲気です。
The Eatery (GF)
こちらはカジュアルなフードコート。
ピザ、肉、寿司、サンドイッチ、パンなどを、カウンターで注文するかセルフサービスでトレイに乗せ、中央レジでまとめて会計するシステムです。
子連れ情報
賑やかで気兼ねしない雰囲気で、子連れにおすすめ。ハイチェアもありました。ベビーカーをテーブルに横づけ可能。
Petrie Court Cafe (1F)
パンやタルト、スナックなど軽食中心。こちらも気軽に利用できます。昼過ぎは席が空いていないことも多い。
まとめ
メトロポリタン美術館は、絵画だけでなく彫刻、遺跡、家具など幅広いコレクションがあり、ゆっくり見ていると一日では見終わらないほど。
人がとても多くて、みんな普通に会話しながら見学しているので、子供連れでも問題なく見学できます。遠回りになりますがベビーカーや車椅子での見学も可能(バリアフリー)
また、2023年9月、同館内に子供向けプレイエリア “81st Street Studio” がオープン。小さな子供を連れての観光がますます簡単に、そして楽しくなりました。
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