ロンドン観光の名所「セントポール大聖堂(St. Paul’s Cathedral)」は、イギリス文化の精神的シンボルともいえる存在で、壮大なドーム、荘厳な内装、そして歴史的背景に注目。この記事では、セントポール大聖堂のアクセスから入場料、チケットの買い方、持込禁止物等の注意点、見どころ、所要時間まで、地図と写真付きで丁寧にご紹介します。
セントポール大聖堂とは
セントポール大聖堂は、ロンドン中心部に位置するイングランド国教会の大聖堂です。
1666年のロンドン大火で前身の教会が焼失したのち、1697年に現在のセントポール大聖堂が完成しました。設計者は著名な建築家のクリストファー・レン。高さ111メートルにも及ぶ巨大なドームは、ヨーロッパの大聖堂の中でも有数の大きさを誇ります。
セントポール大聖堂は、下記のような国家的イベントが行われる場所としても知られています。
- チャールズ皇太子とダイアナ妃の結婚式
- チャーチル元首相の国葬
- エリザベス女王の即位50周年記念式典
文化・歴史の舞台としての価値も非常に高い建造物です。
アクセスと基本情報
セントポール大聖堂へのアクセス
セントポール大聖堂は、ロンドン中心部のシティ・オブ・ロンドンに位置しています。
最寄り駅はいくつかあり、公共交通機関で簡単にアクセス可能です。
- St. Paul’s 駅(セントラルライン)から徒歩3分
- City Thameslink 駅(テムズリンク)から徒歩4分
- Mansion House 駅(サークル&ディストリクトライン)から徒歩5分
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バスは15, 17, 26, 76などが通っています。
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入口
一般のエントランスは西側です。30段ほどの階段があります。(↓マップの青いピンの位置)
バリアフリー入口は北側です。車椅子やベビーカーの方はこちらへ(↓マップの赤いピンの位置)
営業時間・休館日
- 月~土曜日:8:30〜16:30(最終入場16:00)
- 日曜日:観光不可
チケットと入場料金
料金
2025年4月時点での料金は下表のとおり(税込)
大人(18歳以上) | £26 |
シニア(65歳以上) | £23.50 |
学生(※写真付き学生証が必要) | £23.50 |
子供(6~17歳) | £10 |
乳幼児(0~5歳) | 無料 |
家族(大人2人子供2~3人) | £62 |
家族(大人1人子供2~3人) | £36 |
予約・購入方法
チケットは事前予約がおすすめです。シーズンによっては早めに売り切れてしまうので、一週間以上前を目安に予約すると良いでしょう。
公式サイトで買う(英語)
- 公式サイトの“Tickets”をクリック
- 予約したいチケットの“Book now”をクリック
- 日程と人数を選択し“Add to Basket”
- カゴの中身を確認し“Continue”
- アカウントを作成 or ログイン or ゲストとして進む
- 個人情報を入力して“Submit Order and Proceed to Payment”
- 支払い情報を入力
- メール添付でPDFチケットが届く
ツアーサイトで買う(日本語)
英語に不安がある場合は、代理店サイトを利用することで日本語で予約・購入・支払いができます。
海外オプショナルツアー専門サイトのKKday は、セントポール大聖堂のチケット取り扱いあり◎
当日はメールで届くチケットを提示するだけで入場できます。
訪問の際の注意点
持込禁止物
セントポール大聖堂では、安全のため、下記の物品の持ち込みが禁止されています。入場時にバッグの中身チェックがあります。
- 開封済みの飲み物、食品
- 45×30×25cmより大きいバッグ
- ガラス瓶、ガラス容器
- アルコール類
- ナイフ、鋭利なもの
- その他危険物
写真撮影のルール
個人的な写真撮影は、フラッシュを使用しなければ可能です。
ただし例外があり、下記の撮影は禁止されています。
- ささやきの回廊(Whispering Gallery)
- 礼拝中
- 動画
また、以下の撮影器具は使用禁止です。
- 自撮り棒
- 照明器具
- 一脚、三脚
- ジンバル
服装
後述するとおり、セントポール大聖堂ではドームに登ることができます。登りたい方は、スニーカーなど歩きやすい靴で訪れるのがおすすめです。
また、大聖堂は神聖な場所のため、露出の高い服装は避けた方が良いでしょう。不適切な言葉が書かれたTシャツなども、着ていかないよう注意。
見どころ
大聖堂内部
バッグの中身チェックとチケットの提示を終え、大聖堂内に入ったら、まず無料のオーディオガイドを入手しましょう。
通路から主祭壇にかけて、順路にそって美しい装飾を眺めながら進みます。1695年に設置された世界最大級のパイプオルガンや、ステンドグラスにも注目。
中央にある丸天井には、美しい天井画「聖パウロの生涯」が描かれています。画家ジェームズ・ソーンヒルによる作品で、8つの場面にわたってパウロの物語を描いています。

また、ウィリアム・ホルマン・ハントの代表作「世の光(The Light of the World )」が壁に展示されています。

この絵画には、イエス・キリストが手にランタンを持ち、どこかの家の扉をノックしている様子が描かれています。扉には外から開けるためのドアノブがありません。これは家を人の心にたとえ、キリストはいつもあなたの心に寄り添っているが、心の扉を開くのはあなた次第であるという意味がこめられています。
また、奥の通路にはヘンリー・ムーアの彫刻「母と子(Mother and Child)」が展示されています。

この彫刻は、受胎、妊娠、子育てという3つの母性の段階を表しています。
回廊
さらに、演壇そばの階段をのぼると、3つの回廊を訪れることができます。体力のない方などは、回廊はスキップ可能です。
ささやきの回廊(Whispering Gallery)
まず、ささやきの回廊(Whispering Gallery)まで257段あります。257段と聞くと身構えてしまいますが、階段の幅が広く、1段ずつが低いため、個人的にはあまり大変ではありませんでした。
地上から約30メートルの位置にあるこの回廊は、大聖堂のドーム内側を囲むように作られており、神秘的な雰囲気です。とても美しいのですが、写真撮影禁止なので注意。
片側で小声で話すと、遠く離れた反対側の壁に声が届くという仕掛けがあるので、2人以上で訪れる場合はぜひ試してみてください。
石の回廊(Stone Gallery)
さらに119段を上ると、石の回廊(Stone Gallery)に着きます。
1段の高さが高く、少し大変ですが、途中にベンチがあり休み休み上ることができます。
ここは屋外にあるバルコニーのような場所で、ゆっくりとロンドンの街並みを眺められます。テムズ川やロンドン・アイ、ザ・シャードなどが見えます。


金の回廊(Golden Gallery)
さらに152段を上ると、最上部には金の回廊(Golden Gallery)があります。
狭く急な螺旋階段を上っていくのは大変ですが、ロンドンを一望する絶景を見ることができるので、可能ならぜひチャレンジしてみてください。特に夕方以降は街の光がとても綺麗です。


帰りは257+119+152=552段を降りて1階に戻ります。
クリプト
1階に着いたら、別の階段(エレベーターあり)で地下1階のクリプト(地下納骨堂)に向かいます。
石造りの静かな納骨堂には、偉人たちが埋葬されています。
- ホレーショ・ネルソン提督:ナポレオン戦争・トラファルガー海戦の英雄
- アーサー・ウェリントン公爵:ワーテルローの戦いでナポレオンに勝利した軍人
- クリストファー・レン:この大聖堂の設計者
地下1階にはショップもあり、セントポール大聖堂やロンドンにまつわる雑貨などを買うことができます。
所要時間
オーディオガイドを聞きながら見学し、回廊も登る場合、セントポール大聖堂の見学所要時間は3時間ほど。
お急ぎ観光の場合、サッと1階部分だけ見るなら1時間でも足りるかと思います。
周辺の観光スポット
セントポール大聖堂を見た後は、徒歩3分の距離にあるミレニアム・ブリッジもあわせて見学するのがおすすめ。
ミレニアム・ブリッジはライトアップされる夜に訪れるのがおすすめ◎
セントポール大聖堂が真正面にあり、あわせて撮るとフォトジェニック。
また、映画「ハリー・ポッターと賢者の石」のロケ地として有名な「レドンホール・マーケット」も徒歩圏内(16分)です。
